日本国内で受験できる韓国語の二大検定試験といえば、ハングル能力検定試験とTOPIKです。これまで、それぞれの検定試験の要項や申込方法などを解説してきました。韓国語を勉強していると、ハングル能力検定試験やTOPIKの受験を考えることが一度はあるでしょう。その際に役立つ情報を分かりやすくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。まだまだ勉強し始めたばかり…という方も、事前に試験情報を入手しておくと勉強のスケジュールを立てたり、目標を立てたりすることができるので、おすすめです◎
今回は、TOPIKの各級のレベルと合格ラインについて詳しく解説します。ハングル能力検定試験のレベルや合格ラインについて知りたい場合は、下記の記事をチェックしてみてください。
検定試験は、韓国語学習における自分の現在地が手っ取り早く確認できるのがいいよね。効率よく、レベルアップを目指そう!
TOPIKの特徴は?
ハングル能力検定試験とTOPIKは、どちらも30年以上の歴史があり、メジャーな検定試験ですが、違う点も多くあります。ハングル能力検定試験が日本国内で日本語母語話者向けに実施されている試験に対し、TOPIKは全世界を対象とした韓国語学習者に対する試験として実施されています。また、韓国で使用している言語的な習慣と傾向を正確に反映し、単なる韓国語の能力を評価するというものではなく、効果的な韓国語の学習方法を提示するものになっています。TOPIKは全世界的に韓国語を広く普及する役割を担っているのです。
ハングル能力検定試験では、多くの日本語を目にすることができますが、TOPIKは問題および解答ともに韓国語となっています。どちらの試験の方がいい悪いではなく、それぞれの特徴を理解し、ご自身の韓国語のレベルと目的に合わせて試験を受けるといいでしょう◎
出題形式ですが、ハングル能力検定試験は5級から1級まで級ごとに全く別の試験問題が出題されます。対して、TOPIKの場合は試験は2種類しかありません。
TOPIKⅠとTOPIKⅡという種類に分かれます。TOPIKⅠは1級と2級、TOPIKⅡは3級から6級となります。ちなみにハングル能力検定試験の最上級は1級ですが、TOPIKの最上級は6級です。ちょっと混乱しそうですね…
TOPIKはTOPIKⅠ(初級)またはTOPIKⅡ(中上級)を選択して受験します。その試験で取得した点数によって、合格級が決まるという仕組みになっています。
TOPIKの試験時間と配点
TOPIKⅠとTOPIKⅡでは異なります。TOPIKⅡになると、1時間目と2時間目に分けて実施され、時間が長くなります。また、四択問題に加えて、記述式問題があるのが特徴です。
TOPIKⅠの試験時間と配点
合計100分間、休憩なしで聞き取りと読解が実施されます。合わせて200点満点です。
内容 | 形式 | 問題数 | 配点 |
聞き取り(40分) | 四択 | 30 | 100 |
読解(60分) | 四択 | 40 | 100 |
TOPIKⅡの試験時間と配点
1時間目が聞き取りと筆記で合計110分、その後30分休憩をはさんで、70分の読解が実施されます。合わせて300点満点です。
■1時間目
内容 | 形式 | 問題数 | 配点 |
聞き取り(60分) | 四択 | 50 | 100 |
筆記(50分) | 記述式 | 4 | 100 |
■2時間目
内容 | 形式 | 問題数 | 配点 |
読解(70分) | 四択 | 50 | 100 |
※1時間目の欠席者は2時間目への出席ができません。気を付けましょう。
TOPIK各級の合格ライン
試験は2段階制のため、1級と2級はTOPIKⅠ、3級以上はTOPIKⅡの受験となります。問題はもちろん、時間、配点も異なります。(詳しくは1つ前の段落で説明しています。)
下の表は、各級の合格ラインとTOPIKⅠまたはTOPIKⅡで必要になる正答率です。
級 | 得点 | 正答率 |
TOPIKⅠ1級 | 80点以上(200点満点) | 40.0% |
TOPIKⅠ2級 | 140点以上(200点満点) | 70.0% |
TOPIKⅡ3級 | 120点以上(300点満点) | 40.0% |
TOPIKⅡ4級 | 150点以上(300点満点) | 50.0% |
TOPIKⅡ5級 | 190点以上(300点満点) | 63.4% |
TOPIKⅡ6級 | 230点以上(300点満点) | 76.7% |
※合格点に満たない場合は不合格となります。TOPIKⅠでは少なくとも80点以上、TOPIKⅡでは少なくとも120点以上である必要があります。
TOPIK各級のレベルと学習時間の目安
1級と2級は日常会話、3級と4級は公共施設の利用と社会的関係形成、5級と6級が専門分野の研究や業務遂行ができるレベルです。具体的な内容は下にまとめています。
1級
初級レベル
・韓国語の基本的な文法や単語を理解し、身近な話題に関して、簡単な会話や文章を理解できる。
(自己紹介、買い物、飲食店での注文など)
・約800語程度
・学習時間の目安は100~150時間
2級
初中級レベル
・より複雑な文法や表現を理解し、日常生活での簡単な会話や文章の作成が可能。(電話やお願い、郵便局や銀行などの公共機関での会話、公式か非公式かの区別)
・約1,500~2,000語程度
・学習時間の目安は150~200時間
3級
中級レベル
・より高度な文法や表現を理解し、さまざまなトピックについての会話や文章を理解できる。(ハングルを使用して日常を問題なく過ごせるレベル。文章語と口語を区別し、使用可能。)
・学習時間の目安は200~300時間
4級
中上級レベル
・高度な文法や表現を扱い、幅広いトピックについての会話や文章を理解し、自由に表現できる。(ニュースや新聞をある程度理解。一般的な業務に必要な言語の使用。使用頻度の高い慣用句。社会・文化的な内容の文章を理解、使用。)
・学習時間の目安は300~400時間
5級
上級レベル
・高度で複雑な文法や表現を理解し、幅広いトピックについての深い会話や文章を理解し、自在に表現できる。(専門分野に必要な言語のある程度理解、使用。政治、経済、社会、文化など全般に渡った身近なテーマの理解、使用。公式的、非公式的、文語的、口語的の適切な区別と使用。)
・学習時間の目安は400~600時間
6級
最上級レベル
・非常に高度で複雑な文法や表現を理解し、幅広いトピックについての深い議論や複雑な文章を理解し、高度な表現が可能。(専門分野における研究や業務遂行、政治、経済、社会、文化などの全般に渡ったテーマで身近でない内容に関しても不便なく使用。)
・学習時間の目安は600時間以上
※こちらでの「初級レベル」などのレベル表記は、TOPIKにおける6段階のレベルを当記事において、分かりやすく表現するために付けたものです。
各級で求められる聞き取り、読解、筆記それぞれの内容については、TOPIK公式HPに詳しく記載されています。
TOPIKにチャレンジしてみよう!
各級のレベルや学習時間の目安が分かれば、適切に目標を設定することができますね。各級で求められている詳しい内容を確認することで、試験対策もしやすくなるでしょう!検定料は安いというわけではありませんが(TOPIKⅠが5,000円、TOPIKⅡは7,000円)、全国40都道府県で、年3回受験可能です。ご自身のご都合に合わせて、勉強のスケジュールを立て、計画的にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
※2024年4月10日時点の情報を元にしております。最新の情報は公式HPでご確認ください。